2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問16 (ユニットC 問6)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問16(ユニットC 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

送配電系統におけるフェランチ現象に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 地中電線路よりも架空電線路の方が発生しやすい。
  • 深夜などの軽負荷時に発生しやすい。
  • 線路の静電容量が大きいほど発生しやすい。
  • 受電端電圧の方が、送電端電圧よりも高くなる現象である。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、フェランチ現象(Ferranti effect)について正しく理解しているかを問う内容です。フェランチ現象は、主に送電線の設計や運用で注意すべき電圧異常の一種です。

 

フェランチ現象とは

送電線が長距離で、負荷が軽いとき(特に深夜など)に、受電端の電圧が送電端よりも高くなるという逆転現象です。これは、線路の静電容量とリアクタンスが関係しています。

選択肢1. 地中電線路よりも架空電線路の方が発生しやすい。

誤った記述です。
地中電線は架空電線よりも静電容量が大きくなる構造であるため、フェランチ現象は地中電線路の方が発生しやすいです。この選択肢は現象の傾向を逆にとらえています。

 

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

選択肢2. 深夜などの軽負荷時に発生しやすい。

正しい記述です。
負荷が少ないと、送電線のリアクタンスや静電容量の影響が表れやすくなり、フェランチ現象が起こりやすくなります

選択肢3. 線路の静電容量が大きいほど発生しやすい。

正しい記述です。
フェランチ現象は、送電線の静電容量とリアクタンスの相互作用で起こるため、静電容量が大きいほど影響が強くなります。

選択肢4. 受電端電圧の方が、送電端電圧よりも高くなる現象である。

正しい記述です。
フェランチ現象の定義そのものであり、通常とは逆の電圧分布が生じるのが特徴です

まとめ

フェランチ現象は、地中電線のように静電容量が大きい線路で起こりやすいため、「架空電線路の方が発生しやすい」という記述は誤りです。他の選択肢は現象の特徴を正しく表しています。

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02

フェランチ現象とは、長距離の無負荷または軽負荷の送電線において、受電端電圧が送電端電圧より、高くなる現象のことです。

選択肢1. 地中電線路よりも架空電線路の方が発生しやすい。

誤りです。

地中線は、送電線よりも線路中の静電容量が多くなるので、よりフェランチ現象が発生しやすくなります。

選択肢2. 深夜などの軽負荷時に発生しやすい。

正しい内容です。

冒頭でも述べた通り、負荷が小さいほど発生しやすいです。

選択肢3. 線路の静電容量が大きいほど発生しやすい。

正しい内容です。

選択肢「地中電線路よりも架空電線路の方が発生しやすい。」でも述べた通り、線路中の静電容量が大きいと、その分電圧上昇に寄与します。

選択肢4. 受電端電圧の方が、送電端電圧よりも高くなる現象である。

正しい内容です。

冒頭で述べた通りです。

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03

送配電系統におけるフェランチ現象に関する問題です。

 

フェランチ現象は、次のような現象です。

負荷の力率は、遅れ力率が一般的で、負荷が大きいとき、電流は電圧より位相が遅れます。

送電線変圧器の抵抗やリアクタンス中をこの遅れ電流が通ると、受電端電圧は送電端電圧より低くなります。

深夜のような負荷が小さい時や無負荷の時は、充電電流が大きく影響し、電流は進み電流となり、受電端電圧は送電端電圧より大きくなるのが、フェランチ現象です。

 

フェランチ現象によって需要家のコンデンサ機器に影響するため、抑制対策には、電線路に分路リアクトルを設置します。

選択肢1. 地中電線路よりも架空電線路の方が発生しやすい。

架空電線路よりも地中電線路の方が発生しやすい

 

ケーブル送電の場合は、単位長の静電容量が大きく、同じ長さであれば架空送電線路に比べて発生しやすくなります。

選択肢2. 深夜などの軽負荷時に発生しやすい。

問題文の内容通りです

 

深夜のような負荷が小さい時や無負荷の時は、充電電流が大きく影響し、発生しやすくなります。

選択肢3. 線路の静電容量が大きいほど発生しやすい。

問題文の内容通りです

 

送電線の単位長さの静電容量が大きいほど、また送電線路のこう長が長いほど、発生しやすくなります。

選択肢4. 受電端電圧の方が、送電端電圧よりも高くなる現象である。

問題文の内容通りです

 

負荷が小さい時は、充電電流が大きく影響して電流が進み電流となり、受電端電圧が送電端電圧より大きくなります。

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