2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)後期
問13 (ユニットC 問3)
問題文
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問題
2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)後期 問13(ユニットC 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
- 同期調相機は、短絡事故時に故障電流を供給することはない。
- 電力用コンデンサは、電圧調整が段階的となる。
- 電力用コンデンサは、電圧を下げることができない。
- 分路リアクトルは、変圧器よりも騒音、振動が大きくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
電力系統における無効電力の調整は、電圧の安定化と電力品質の維持に不可欠です。
以下に、主要な調相設備である同期調相機、電力用コンデンサ、分路リアクトルの特徴と役割を解説します。
同期調相機は、無効電力の供給や吸収を行う機械ですが、その構造は同期機なため、万が一短絡などの事故が起こった際には、内部に蓄えられたエネルギーや磁界の影響により、故障電流を供給してしまう可能性があります。
したがって、供給することがないと断定してしまうことは不適当となります。
電力用コンデンサは、主に無効電力を供給することで、電力系統内の電圧を安定させたり、電圧を上昇させたりする役割を持つ機器です。これにより、系統内の電力品質が向上し、電力損失の低減や機器の効率的な運転が期待できます。
このコンデンサは、使用される場面や電力負荷の状況に応じて、必要な無効電力の量を調整する必要があります。
そのため、容量を一定の単位(ステップ)ごとに切り替える「ステップ制御」と呼ばれる方式が一般的に用いられています。
このステップ制御により、電圧の調整も段階的に行われるため、急激な変動を避けつつ、系統全体の電圧を適切な範囲に保つことが可能になります。
したがって、電圧調整が段階的になるという記述は適当です。
電力用コンデンサは、無効電力を供給することで系統電圧を上昇または安定化させる役割を持つ機器です。
電力系統では、負荷の変動などにより無効電力が不足すると電圧が低下する傾向があり、このような場合に電力用コンデンサを投入することで不足分を補い、電圧を持ち上げることができます。
しかし、電力用コンデンサはあくまで「電圧を上げる方向に作用する」ものであり、意図的に電圧を下げることはできません。
電圧を下げたい場合には、分路リアクトルのような無効電力を吸収する機器を用いる必要があります。
したがって、この電圧を下げることができないという記述は適当です。
分路リアクトルは、主に無効電力を吸収する目的で電力系統に設置される機器であり、特に軽負荷時の電圧上昇を抑えるために使用されます。
構造としては鉄心とコイルを持ち、磁束を利用してインダクタンス(リアクタンス)を発生させています。
この分路リアクトルは、運転中に大きな電流が流れ、さらに磁束の変動も大きくなるため、
電磁的な力が繰り返し発生してコイルや鉄心を振動させる原因となります。
その結果、変圧器に比べて騒音や振動が大きくなる傾向があります。
特に屋外に設置される大容量のリアクトルでは、この騒音や振動が問題となることがあり、
防音対策や設置位置の工夫などが求められる場合もあります。
したがって、変圧器よりも騒音、振動が大きくなるという記述は適当です。
電力用コンデンサ、同期相調機、分岐リアクトルの基礎的な問題ですので、しっかりとっておきたい問題です
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02
この問題は、変電所で無効電力を調整する機器の特徴について理解しているかを問うものです。無効電力とは、交流回路においてエネルギーが一時的に蓄えられ、実際に消費されない電力のことで、電圧維持に重要な役割を持ちます。
これは不適当です。
同期調相機は同期機(モーターのような構造)であり、短絡事故時には一時的に大電流を供給する能力があります。
そのため、系統の安定性維持に役立つ特性を持っています。
「故障電流を供給しない」というのは誤りです。
この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。
これは適切な記述です。
コンデンサバンクは数個のコンデンサを組み合わせて構成されており、必要な無効電力に応じて段階的に投入・遮断することで調整します。
これは適切な記述です。
コンデンサは電圧を上げる方向に作用する(進相作用)ため、電圧を下げる機能はありません。逆に、電圧を下げたいときにはリアクトルが使われます。
これは適切な記述です。
分路リアクトルは大電流が流れるため、鉄心や巻線に発生する磁力によって振動や騒音が大きくなりやすい特徴があります。
同期調相機は短絡時に大きな電流を供給する能力を持っており、それが利点の一つでもあります。
したがって、「同期調相機は、短絡事故時に故障電流を供給することはない」という記述は不適当です。
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03
変電所で、無効電力の調整を行う機器の特徴に関する問題です。
調相設備は、無効電力を制御することで、電力系統で決められた電圧を維持して送電するために設置されます。
調相設備には、回転機の同期調和機、静止機とする電力用コンデンサ、分岐リアクトル、静止型無効電力補償装置があります。
調相設備の特徴比較を下表に示します。
電力用
コンデンサ
分路
リアクトル
回転機として
煩雑
無効電力の
調整能力
進相・遅相の
両方供給可能
進相・遅相の
両方供給可能
同期調相機
より小
同期調相機
より小
安定度向上
効果
誤
同期調相機は、短絡事故時に故障電流を一時的に供給する。
同期調相機は、界磁電流を抑制することで、消費無効電力を、自由に連続的に変えることができます。」
また、内部誘起電圧により自己電圧が確立しており、系統電圧が低下しても、一定の無効電力の供給が可能です。
短絡事故時には、一時的に故障電流を供給でき、電力系統の安定化させます。
正
問題文通りの内容です。
電力用コンデンサは、送配電系統の無効電力調整に使われ、遅相分の無効電力を供給し、進相分の無効電力を消費します。
電圧調整は、段階的に行います。
正
問題文通りの内容です。
開閉器操作で調整し、電圧や無効電力の変化が段階的で、きめ細かな電圧調整があまりできません。
正
問題文通りの内容です。
分路リアクトルは、進相分の無効電力を供給し、遅相分の無効電力を消費するよう使われます。
分岐リアクトルの構造は、外鉄形の変圧器に似た構造で、リアクタンスを得るために磁気回路にエアギャップが設けられて漏れ磁束が大きくなり、磁気ひずみにより騒音と振動が起こります。
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